対象疾患と治療実績(手術件数)
主として肺癌や転移性肺腫瘍を中心とする肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍などの疾患について幅広く対応していますが、 同時に関連する非腫瘍性疾患についても外科治療に携わっています。
呼吸器外科手術症例(表参照)における手術件数は原発性肺癌が最も多く、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、 縦隔腫瘍などの腫瘍性疾患を中心としていますが、非腫瘍性疾患では非結核性抗酸菌症・アスペルギルス症・膿胸など炎症性疾患と肺嚢胞や 自然気胸など呼吸器外科領域全般にわたり年間100〜130例の外科治療を行っています。
原発性肺癌の手術治療成績は、術後病理病期別5年生存率でTA期81%、TB期62%、UA期65%、UB期55%、VA期32%、 VB期24%、W期21%でした。感染症領域の治療は、薬物療法が主体となりますが、難治性のものに対しては手術療法を選択しています。
非結核性抗酸菌症に対しては、区域切除を行い肺機能温存を図っています。アスペルギルス症に対しては肺葉切除術を、 膿胸に対しては肺葉切除術、醸膿胸膜剥皮術、掻爬術、胸郭形成術、開窓術、大網・筋肉弁充填術を組み合わせた治療を行なっています。
これら全ての領域で薬物療法と手術療法を取り入れ呼吸器内科医・呼吸器外科医が協力して診療にあたっています。

【年度別手術件数】


当院の専門治療、専門グループについて

当呼吸器病センターの3つの専門グループと、その専門治療をご紹介します
※カッコ内は各専門グループの担当医師です。



呼吸器科 後期臨床研修プログラム

【研修目標】

 一般目標
 呼吸器科専門医として必要な専門的知識、技術と診療能力を習得する事が目的である。

 行動目標
日本呼吸器学会の研修カリキュラムに従い基本的な呼吸器病学の理解のもと、以下に示す各分野の疾患について、 診断に必要な検査、手技と治療について自立して行えるようになることを目標にします。

1.疾患

  • 肺感染症(肺結核を含む)、慢性閉塞性肺疾患、気管支・細気管支の疾患、アレルギー性疾患、 特発性間質性肺炎、急性呼吸窮迫症候群・急性肺損傷、薬剤・化学物質・放射線による肺障害、 全身疾患に伴う肺病変、じん肺症、肺循環障害、呼吸器新生物、呼吸調節障害、呼吸不全、 胸膜疾患、横隔膜・縦隔・胸郭・胸壁の疾患など。

2.検査

  • 胸部単純、CT、MRI、核医学検査の画像診断を習得する。
  • 喀痰検査(グラム染色、抗酸菌染色、PCR法)を習得する。
  • 呼吸機能検査(スパイログラム、ガス交換機能、睡眠時呼吸モニター)を習得する。
  • 気管支鏡検査(擦過法、気管支・肺生検、気管支肺胞洗浄)を習得する。
  • 胸腔検査(胸水検査、胸膜生検)を習得する。
  • 超音波・CTガイド下にての肺病変穿刺検査を習得する。

3.治療

  • 薬物療法(抗菌薬、気管支拡張薬、副腎皮質ホルモン薬、抗癌剤等)を習得する。
  • 救急蘇生、酸素療法、吸入療法を習得する。
  • 気胸や胸水貯留に対する胸腔穿刺やドレナージ方法を習得する。
  • 気管内挿管、人工呼吸管理、非侵襲的陽圧呼吸(NIPPV)管理を習得する。
  • 在宅呼吸療法(在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法)を理解する。
  • 外科的処置(肺葉切除、胸腔鏡下手術・肺生検)の適応基準を理解する。

【研修期間】

卒後2年間の初期研修終了後から日本呼吸器学会専門医試験の受験資格が得られるまでの5年間が研修期間となります。 日本内科学会認定内科医資格を取得の年度初めから3年間の研修で日本呼吸器学会専門医の受験資格が得られる。

【研修方法】

  • 指導医のもとで入院患者の主治医として診療を行いながら、呼吸器疾患について入院と外来の両診療が独立して行えるように研修を行う。
  • 当院にて実施困難な研修内容に関しては、必要に応じて他の国立病院機構または国立病院での一時的な研修を考慮する。
  • 呼吸器関連の学会へ参加し発表していただく。
  • 呼吸器関連の雑誌に論文を発表していただく。

【研修評価】

  • 研修記録等をもとに自己評価および指導医評価の形成的評価を行う。
  • 研修1年が終了するたびに研修内容を評価し、次年以降の研修計画を修正する。
  • 学会等での発表や論文を業績評価とする。
  • 日本呼吸器学会専門医試験の結果が総括的評価となる。



呼吸器外科 後期臨床研修プログラム

【研修目標】

外科系基礎プログラムを終了した者が対象であるが限定ではない。
例えば、内科基礎プログラム(総合)を終了した者、或いは他の研修施設での研修と本機構での外科
ベーシックプログラムを終了し、 外科系基礎プログラムを終了したと同等とみなされる者でも可能である。
一般外科および呼吸器外科学の専門的知識と手術手技等を習得し、一般外科および呼吸器外科疾患の診断を的確に行い 適切な治療法を選択・施行できることを目標とし、日本外科学会専門医、呼吸器外科専門医、国立病院機構による診療認定医(II) 資格等の取得を目指す。


【研修期間】

専修医として5年間を予定する。

【研修方法】

1年目:

  • 呼吸器系の発生、構造と機能を理解し、呼吸器疾患の病因、病理病態、疫学に関する知識を持つ。
  • 高齢者、ハイリスク患者を含む外科的呼吸器系疾患患者を担当医として十分に経験する。呼吸器疾患に
    関する症状と理学的所見、画像検査、生理学的検査、外科病理学的検査などの基本的検査法の他に
    心臓血管造影法、心臓血管カテーテル検査法、経食道超音波検査法、心筋シンチグラム、肺換気・
    血流シンチグラム、RI アンギオグラフィーなどの特殊検査の検査結果を解析でき、また気管支鏡、
    縦隔鏡、胸腔鏡等の内視鏡検査(生検を含む)の結果を解釈できる。

2年目:

  • 呼吸器疾患の診断に必要な問診および身体診察を行い、必要な基本的検査法、特殊検査法の
    選択と実施ならびにその結果を総合して呼吸器疾患の診断と病態の評価ができる。
  • 一般状態、加齢、他臓器機能、合併疾患を評価し、心身両面から総合的な治療計画の策定と
    手術適応の決定、術式の選択ができる。
  • 基本的検査法の他に気管支鏡、縦隔鏡、胸腔鏡等の内視鏡検査(生検を含む)を実施し、
    その結果を解釈できる。

3年目:

  • 診断に基づき、呼吸器疾患に対する手術療法を個々の症例の心身両面から適切に選択し、
    安全に実施することができる。
  • 呼吸器外科手術の呼吸、循環動態に及ぼす影響を理解し、周術期管理、人工呼吸器操作、酸塩基平衡、
    輸液、輸血、感染対策などの周術期管理が適正にできる。
  • 学術集会において呼吸器外科に関する発表を演者として行う。
  • 症例検討会において主たる討論者となる。

4年目:

  • 患者とその関係者に病状と外科的治療に関する適応、合併症、予後について十分な説明ができる。
  • 呼吸器疾患の外科的治療の専門的知識と技能を習得し、呼吸器外科専門医合同委員会が定めた 修練期間中に修練すべき手術を経験する。
  • 術後合併症の早期発見とその対応ができる。

5年目:

  • 呼吸器外科修練中の後進の外科医を日常的に指導し、その成果を評価することができる。
  • 医療事故、アクシデント、インシデントの発生に際してはこれを迅速に遺漏なく対処できる。

【研修評価】

実地臨床診療の場において随時行う。

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